特定名称酒とは?普通酒との違いや品質表示基準を解説

特定名称酒

特定名称酒とは、日本酒のラベルに次のような記載がされている日本酒のことです。

・純米

・吟醸

・本醸造

日本酒を飲んだことがある方なら、一度これらの表示を見たことがある方も多いのではないでしょうか。なお、これらの表示をラベルに記載するには、一定の要件を満たす必要があります。

特定名称酒の種類ごとに味わいの特徴や原料などは異なりますので、記載要件を理解しておくと自分好みの日本酒を選びやすくなるでしょう。

そこで本記事では、日本酒についてもっと深く知っていただけるように、特定名称酒として表示できる条件などをわかりやすくお伝えしていきます。

目次

特定名称酒は2つの概念で大きく3種類に分けられる

特定名称酒は、大きく分類すると「純米酒」「吟醸酒」「本醸造酒」の3種類に分けられます。細かく分類すると8種類に分けられますが、今回はわかりやすく「3種類」に分類しています。

また、特定名称酒を分類するための概念は次の2点です。

・精米歩合(原料米の削り具合)の割合はどの程度か

・醸造アルコールが含まれているか(純米酒であるか)

具体的に、どのような条件で特定名称酒が種類分けされるのかについて、詳しく解説していきます。

精米歩合(原料米の削り具合)

特定名称酒を分類するための1つ目のポイントは、精米歩合です。精米歩合とは、原料であるお米をどの程度削っているかを示す割合を指します。

例えば、「精米歩合60%」と日本酒のラベルに記載されているなら、その日本酒は40%削られたお米を使用して造られています。

精米歩合が高くなる(多く削られているお米を使用する)ほど、お米本来の香りや雑味のない味わいを感じられるのが一般的です。

醸造アルコールが含まれているか(純米酒であるか)

特定名称酒を分類するための2つ目のポイントは、醸造アルコールが含まれているかどうかです。なお、醸造アルコールが含まれていない、つまり「米」「水」「米麹」から造られる日本酒が純米酒です。

醸造アルコールは、日本酒の味わいや香りを調整するために使用されるため、お米本来の味わいを感じられる日本酒を好む方には、純米酒をおすすめします。

お米の味わいだけでなく、華やかな香りや風味も感じられる日本酒を好む方には、醸造アルコールが含まれる「吟醸酒」「本醸造酒」がおすすめです。

特定名称酒と普通酒の違いは単純である

日本酒は、特定名称酒と普通酒に分類できます。両者の違いは単純で、特定名称酒として分類されない日本酒が普通酒です。

特定名称酒は造り方をベースに分類されていて、どの造り方にも当てはまらなければ普通酒に分類されます。

なお、普通酒には「八海山」や「越乃寒梅」などの有名な銘柄が含まれていることをご存知でしょうか。特定名称酒だから美味しい、普通酒だから美味しくないといったことは決してございません。

ボトルのラベルに記載されている表示は、あくまでも自分の好みのお酒を探す一つの基準として考えておくと良いでしょう。

特定名称酒の品質表示基準と味の特徴

特定名称酒

特定名称酒を細かく分類すると、精米歩合、醸造アルコールを含むかどうかで、次表の8種類に分けられます。

<特定名称酒の品質表示基準>

醸造アルコールを含まない醸造アルコールを含む
精米歩合の基準なし純米酒
精米歩合「50%以下」吟醸造り純米大吟醸酒大吟醸酒
精米歩合「60%以下」吟醸造り純米吟醸酒吟醸酒
精米歩合「60%以下」特別な醸造方法特別純米酒特別本醸造酒
精米歩合「70%以下」本醸造酒

なお、それぞれの味の特徴は大きく3種類に分類して、下記で詳しく解説していきます。

それぞれの種類の味わいや香りを理解できれば、自分やプレゼントしたい相手の趣味嗜好に応じた日本酒をセレクトできるようになるでしょう。

純米酒|お米の味わいをストレートに感じられる

純米酒は、お米の味わいをストレートに感じられる日本酒です。アルコールが添加されていないため、お米ならではのふくよかな香りも感じられます。

お米に合った料理であれば純米酒に合うため、ペアリングの幅も広げられます。また、熱燗・冷燗などさまざまな温度帯で美味しく飲める点も純米酒の特徴です。

なお、お米の味わいとフルーティーな吟醸香のどちらも楽しみたいのであれば、純米(大)吟醸酒をおすすめします。飲み口もすっきりしているため、日本酒に慣れていない方でも比較的飲みやすいでしょう。

吟醸酒|スッキリとした味わいで香りが華やか

吟醸酒は、スッキリとした味わいで香りが華やかです。「吟醸造り」と呼ばれる製法では、10度前後の低温の中で、磨かれたお米をじっくり発酵させます。

時間と手間をかけて醸造することにより、吟醸酒ならではのフルーティーで華やかな香りを感じられるのです。

フレッシュで果実感ある吟醸酒を最大限楽しむのであれば、10℃~15℃で飲むことをおすすめします。また、大吟醸酒、吟醸酒は、精米歩合によって分類されます。お米本来の味わいに近いものが好みなら、大吟醸酒がおすすめです。

本醸造酒|キレのある辛口の味わいが特徴

本醸造酒とは、切れのある辛口の味わいが特徴の日本酒です。醸造アルコールが添加されていますが、添加量は原料となるお米の総重量における10%未満までですので、味わいや香りは純米酒に近いといえます。

醸造アルコールが添加されていることにより、純米酒と比較してすっきりとした辛口に仕上がるのも、本醸造酒の特徴です。

なお、特別本醸造酒の「特別な醸造方法」に明確な規定は存在せず、各酒造メーカー・蔵元がこだわり抜いた醸造方法にて造られています。「特別本醸造酒」「特別純米酒」と記載されたラベルを見つけたら、醸造方法を確認してみるのも良いでしょう。

まとめ:特定名称酒を知れば自分の好みの日本酒を選びやすくなる

特定名称酒について知ることで、自分の好みの日本酒を選びやすくなります。また、誰かへ向けてプレゼントするときにも、その方の趣味嗜好に沿った日本酒を選べるようになるでしょう。

参考として、日本酒の特徴に応じたおすすめの選び方を以下にまとめました。

<お米本来の深い味わいを感じたい方におすすめの選び方>

・醸造アルコールが添加されていない日本酒を選ぶ

・精米歩合が高い日本酒を選ぶ

・純米酒を選ぶ

<フルーティーな香りとスッキリとした味わいが好みの方におすすめの選び方>

・吟醸酒を選ぶ

※大吟醸酒、吟醸酒の違いは、精米歩合

<料理全般に合う日本酒が好みの方におすすめの選び方>

・(特別)純米酒を選ぶ

・(特別)本醸造酒を選ぶ

※「特別」が付く場合は醸造方法にも注目してみるのがおすすめ

特定名称酒それぞれの醸造方法によって得られる特徴を参考に、ぜひ自分に合った最高の日本酒を探してみてください。

酒泉洞堀一では様々な特定名称酒を販売しています。

日本酒種類別や「フルーティー」「低アルコール」「辛口」など好みから検索していただくこともできます。自分好みの日本酒を探してお気に入りの1本を見つけてみてくださいね。

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この記事を書いた人

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