米沢より山形→東北新幹線 直通で1時間半ちょっと。 宇都宮下車。東北方面に戻るように3駅・15分ほどのって「氏家」下車。徒歩10分で蔵に着きました。
同じみの「仙禽」蔵元の薄井一樹さんに迎えていただきました。
何やら落ち着いた様子。今年は蔵人を増員し、体力的にも例年より余裕があるそうですが、それ以上に満ち足りた表情が印象的。
それは、今年は「仙禽」の一つの方向性がキチンと定まったから。
「今年からしっかり「ドメーヌ」を打ち出していきます。 お米は全量、蔵の地下水・仕込み水の水脈上にある田圃に限定。 (鬼怒川水系ということで、そのエリアは以外に狭く、それぞれの田圃の水質調査までしているそう。)
米本来の力を充分に引出し、また水を「テロワール」と定義し、その水の味わいも引き出しています。」
確かに今年の仙禽は「自然体」を感じる。 水の性質そのままの流れ、酸ももちろん出しているが、それもお米の味わい・流れを補助するような酸の流れ。
クリアな酸。上品な甘み。
「ドメーヌ米は「無垢に使用のお米」「雄町」「亀ノ尾」「X(もうすぐ発表する愛山の代替米)」です。寒暖差があるこの土地で素晴らしいお米が穫れました。
特に今年はドメーヌ「雄町」の栽培が収量・質とも安定し、とてもいいものが出来ています。」
では蔵に!ということで蔵に向かった。
麹室へ、引き込んだばかりの雄町の麹米を手に「見てください。」と薄井蔵元。
この雄町は35%精米「鳥ラベル(通常ラベル)の仙禽 雄町」
「蒸し上がったお米を見るだけで、いい麹が出来るかどうか、解るんですよ!」
ちなみに、「鳥ラベル」や季節のお酒「初槽・かぶとむし」は35%精米。 クラシックシリーズ・無垢は50%精米の麹。
(80%山廃・赤とんぼ・出品酒系は除く)
24時間以上経過し「盛り」の工程。雄町の麹米。綺麗に破精ている。 綺麗!(何度も言う)本当に素晴らしい。
ダイヤモンドのような輝きがあるような錯覚に陥る。それほど素晴らしい麹だったな~こう手に載せてマジマジ見ちゃいました!
「麹造りは最初の初日の「床」ではのんびり育て、翌日の「盛り」の段階でストイックに追い込んでいくんです!そうするとマッチョでしかもスレンダー”ホソマッチョ”な麹米が出来るんです。
そんな麹は、綺麗で余計な味がしません。」
と麹造り論を語ってくれた。
「生モト」の酒母室へ、生モト亀ノ尾の酒母を見る。
モト擦りを重ねた、思いの篭る特別な酒母。
すでに20日以上経過しているが、何と完成までは30日を超えてくる。
自然乳酸の酒母は黄色がかり、泡も大粒で生命力を感じさせるな〜
自然乳酸の酒は木桶仕込みです。仕込まれるのは「山廃 亀ノ尾」 精米歩合80%です
この木桶の酒母は今年初製造の「精米歩合は数パーセント」代の生モトの酒母。
出品酒クラスの酒母は、酒母タンクも木桶です。
サーマルタンクには今年、 力を入れている「雄町」の仕込みが並んでいる。鳥ラベルとクラシックの両方があった。
香りは明らかに違うな~。
「鳥ラベル」は昨年より香り酵母の中でも・・落ち着いて、香りの控え目なタイプを選定。
「クラシック」も当初はいろいろあったようだが、今は決まった酵母になっているとのこと。
どちらも旨味・味わい重視の選定となる。
下からの蒸気だけでなく、色々な蒸気の当て方を出来るものだとういうこと。
蒸しあがりはまさに「お米が立つ」んだそうで、素晴らしい蒸し米が得られる。
杜氏は弟さんの、薄井真人さん。その表情にも今年の好調さが出てるか!?(ニコニコ)
これは米洗いの袋。右は通常のもので、左は数パーセントのもの専用。
このくらい細かいものでないとお米が飛び散ってしまう。
今季最大の投資。 何と、フェラーリ一台買えちゃうような価格とか!!
仕組みはノズルが伸びてお酒が泡立たず、ダメージを与えないよう詰めれて、ほぼ瓶内無酸素状態で詰めれるものらしい。
「いい酒が出来ても、出荷後のお酒が崩れたら意味がない!
その先まで気を配りたいんです。」
あと細かい設備更新では鉄製の道具を全て廃止、プラスティック製などに代替え。
鉄はそのマンガンが水に溶け出してお酒に影響を与えるとかで・・こういう細かい変更が少しずつ酒質に影響していく。
数パーセントのお米のサンプル。お米はドメーヌ 亀ノ尾です。その数字はまだ未公表ということで写真を修正しました。
今年の仙禽 無垢のバックラベル。 まもなく生酒で今季第一弾が出荷されます。
お米は単一米で、今年から表記。
昨年までもほぼこの米で作られてましたが・・
米が足りなくなり他のお米も使う可能性があると表記されませんでした。
今年はドメーヌ化で米の手配の心配が無いとのことで、表記が始まります!
どんなお米か実際のお酒でお確かめくださいね♪
酒泉洞堀一
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