こんにちは、トッティです。突然ですが、皆さん、日本酒はどうやって飲んでいますか?冷蔵庫から出して、すぐグラスに注いで飲んでませんか?それでも悪くはありません。しかし、少し意識をして飲むだけで、その日本酒が10倍美味しくなります。知らなくても生きていけますが、知らないと確実に損します。
お米を育ててくださっている農家さん、そしてそのお米を使ってお酒を造ってくださっている蔵元の方々。この手間暇かけて作られたお酒を、最高の状態で飲みたくないですか?というわけで、日本酒を10倍美味しくする飲み方をご紹介していきます。
今この瞬間からできる簡単な方法から、手の込んだ上級者向けの方法まで、幅広くご紹介します。家で飲む時はもちろん、お店で飲む時にも使える、日本酒を美味しく飲むテクニックをぜひご活用ください。
初級編:今この瞬間からできる美味しい飲み方
その1 適正な温度帯で飲む
日本酒の温度と言えば、冷酒か熱燗ですよね?「ぬる燗もあるのは知ってます」と思った方、その通りです。日本酒は世界的にも珍しく、温めて楽しめるお酒です。この温度の変化で、いろんな味わいを楽しめるのが日本酒の魅力です。
ですが、今回は冷酒の温度帯に注目します。皆さん、冷蔵庫から出してすぐに飲んでいませんか?実はこれ、冷たすぎるんですよね。冷蔵庫に入れておくと、大体5度くらいの温度に冷えますが、冷たすぎると香りが閉じて、味覚も鈍ってしまい、ちゃんとした味が分からなくなってしまいます。
適正温度は10度から15度くらいです。冷蔵庫から出して30分ほどがベストでしょう。ただし、辛口のシャープな味わいのものは、冷えていた方がキリッと楽しめるので、そういったお酒はしっかりと冷やしても大丈夫です。
温度帯による味わいの変化
冷えているほど、しまったキュッとした印象で、温めるほどふわっとした印象になります。辛口のお酒は冷えた状態でキュッと味が締まって楽しめますし、香りのあるものは、10度から15度くらいが美味しく楽しめる温度帯です。逆に、香りが少なく旨味のしっかりした純米酒は、常温から熱燗にかけてより味を楽しめるお酒です。
中級編:お酒にあった器を選ぶ
その2 器による味わいの変化
皆さん、日本酒を飲む時の器として何を思い浮かべますか?お猪口やグラス、枡、鈴を使った酒器、ぐい呑みなど様々なものがありますよね。このように、日本酒を飲む酒器は、昔ながらのお猪口からワイングラスのようなものまで、幅広くあります。
そして、器の形状や素材、厚さによって、味が変わるんですよ。器ごとに飲み比べると、味が全然変わるので、本当に面白いです。
初心者におすすめの器
まず、初心者向けに「これだけは持っておきたい」という器を2つご紹介します。それはお猪口とワイングラスです。まずは100均で売っているようなもので全然大丈夫です。
お猪口は、日本酒を飲むために最適な器です。なぜなら、口が広く、口全体に味わいが行き渡りやすいので、日本酒の旨味を口全体で楽しめるからです。お猪口の形状も、口が広ければ広いほど、味わいが口全体に広がり、いろんな成分をしっかりキャッチできるのが特徴です。ただし、デメリットとして、上に開いているため香りがこぼれやすく、香りをキャッチするのが難しいという点があります。
そのデメリットを補ってくれるのがワイングラスです。香りをしっかりキャッチできる形状のため、日本酒の香りを引き出すのが得意です。また、ワイングラスで飲むと、お猪口よりも味わいがシャープに感じられます。形状が細くなればなるほど、すっきりとした味わいになるのが特徴です。
ワイングラスとお猪口、この2つがあれば、だいたいの日本酒を美味しく楽しめます。香りのあるものはワイングラスで、旨味の強いものはお猪口で楽しむ、といった使い分けをするだけで、日本酒がさらに美味しくなります。
素材別の器の特徴
- 陶器:土を練って焼き上げた器で、口当たりがまろやかに感じます。熱伝導率が低く、温かい日本酒に最適です。触り心地や見た目も楽しめます。
- 磁器:陶器よりもツルツルとした質感で、滑らかな味わいに感じます。模様が美しいものが多く、見た目でも楽しめます。
- ガラス:香りがつかないので、繊細でクリアな味わいの日本酒に適しています。冷酒に最適です。
- 木製:枡に日本酒を入れると、木の香りと調和し、特別な味わいが楽しめます。江戸時代から使われており、歴史を感じられる器です。
- 錫製:錆びにくく、冷えた日本酒を注ぐと器も冷え、美味しく楽しめます。味わいがまろやかになるとも言われており、高価なものが多いですが、挑戦してみる価値があります。
上級編:お食事とのペアリングを楽しむ
その3 お食事とのペアリング
お食事にどの日本酒を合わせるか、悩んでいる方も多いと思います。ペアリングには正解がないからこそ難しいのですが、平均点を取るだけでも満足度はぐっと上がります。
味のバランスで合わせる
まず、味の濃淡で合わせる方法です。さっぱりとしたお刺身には、フレッシュですっきりとした冷酒を合わせ、濃い味付けのお料理には、濃厚な味わいのお酒を合わせるといった感じです。
さらに、白身魚の刺身には辛口のクリアな味わいのものを、赤身には旨味の強い純米酒を合わせるといった具合に、味のバランスで組み合わせると失敗しにくいです。
五味で合わせる
甘み、塩味、苦み、酸味、旨味の五味でバランスを取る方法です。同じ味覚のものを合わせて強調する「相乗効果」と、異なる味覚のものを合わせて調和させる「補完効果」を活用します。
例えば、旨味の強い貝料理には旨味のある純米酒を合わせると、旨味が倍増して非常に美味しくなります。また、酸味のある料理には酸味と甘みのバランスが取れた日本酒を合わせると、味わいが引き立ちます。
最高のシチュエーションで飲む
お酒の味は、どこで、誰と、どんなシチュエーションで飲むかによって変わります。記憶に残るお酒は、その時の雰囲気やシチュエーションもセットで覚えていることが多いですよね。最高のシチュエーションのつくり方を解説します。
地域の特産品と合わせる
地元の郷土料理と地酒の組み合わせは最強です。旅行先でその土地の酒と料理を楽しむのは、日本酒の楽しみ方の一つです。日本酒は、その土地の歴史や文化、自然環境と深く結びついています。その土地の郷土料理と地酒を組み合わせることで、地域の風土を味わいながらお酒を楽しむことができます。
ストーリーを読み解く
日本酒にはそれぞれ、蔵元の思いやコンセプトが込められています。例えば、夜空を表現したラベルの日本酒をキャンプで星空を眺めながら飲むと、最高に美味しく感じます。また、「一白水成 Sunday Back Nine(ゴルフ用語)」というお酒は、ゴルフの後に飲むことで、仲間との時間がより楽しいものになるでしょう。このように、お酒に込められたストーリーや背景を知ることで、飲むシチュエーションがより特別なものになります。
まとめ:日本酒を美味しく飲むための3つのポイント
- 適正な温度帯で飲む
日本酒は温度によって味わいが大きく変わります。冷蔵庫から出してすぐではなく、少し温度が上がった10度から15度くらいが最適です。特に、香り豊かな日本酒はこの温度帯でより一層楽しめます。 - お酒に合った器で飲む
器の形状や素材によって、日本酒の味わいが変わります。お猪口やワイングラスを使い分けることで、香りや味わいを最大限に引き出すことができます。 - 最高のシチュエーションで飲む
誰と、どこで、どんなシチュエーションで飲むかが、お酒の味に大きく影響します。地元の特産品と地酒を合わせたり、お酒の背景にあるストーリーを楽しむことで、より美味しく日本酒を楽しむことができます。
柔らぎ水の重要性
最後に補足として、日本酒を楽しむ際に忘れてはならないのが「柔らぎ水」です。これは酔いを和らげるためのお水で、日本酒を飲む時に同じ量の水を飲むことで、長く楽しむことができます。良いお店では必ずセットで提供されますので、ぜひ一緒に楽しんでください。
さいごに
今回ご紹介した3つのポイントを実践することで、日本酒をより美味しく楽しむことができます。ぜひ、あなたの日本酒ライフに取り入れてみてください。
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