「貴」 永山本家酒造 蔵訪問記。 巨大な「瓶貯蔵庫」 それはヴィンテージ世界への夢の始まり・始まり

「多賀治」の十八盛酒造さんより→香川→岡山→新山口。

20時に新山口(旧、小郡)で永山本家酒造 「貴」 永山貴蔵元と待ち合わせして会食。

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貴を飲んで当店の新人スタッフ山口と。貴 蔵元と私。

「今年は久しぶりに溶ける年(5年ぶりくらい!?)。それで逆に難しい部分もある。硬かった去年と同じ仕込でいくとお米がすぐに溶けて、短期間もろみ日数でアルコールになってしまいいます。

そうすると、刺々しいアルコールの立つお酒になるので、いかに「もろみコントロール」をするか。具体的にはどう?水を打っていくか(追い水)。その杜氏の技量が今年は問われるんです。」

「どっちがいいのではなくて、溶ける年は早飲みのジューシー酒で、硬い年は寝かせて化ける可能性がある酒です」

フムフム

それから・・貴の総論を山口にレクチャーしていたはず!?

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蔵で完売、当店でも完売の「貴 純米大吟醸2013 山田錦」を見つけてオーダーした。。1年くらい寝て、さらに美味しくなっていた。

でも貴蔵元は「まだ寝かせたい~それで完成するお酒なんです。」とのこと。

「寝かせると、瓶内で雑な部分が落ちてきて、味の骨格「ストラクチャー」だけが残る。そこで初めてテロワール(土壌や水)、ミレジアム(年度)の味わいが出てくる。

ボルドーなどのヴィンテージ・ワインのような世界があるんです。そこを純米大吟醸などは目指していきたい、

明日蔵でヴィンテージ酒を試飲してこの話の続きをします!」

更にふむふむ納得している間に永山夫人が迎えに来ていただいて、その夜は終了。 

翌朝9時にホテルに再度、永山夫人に迎えに来ていただいて(何度も往復ありがとうございます!)・・車で20分の蔵へ。

ちょうど出麹作業ということで見学。

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昔に比べたら若手蔵人が増え、作業的なことはだいぶ少なくなって、酒質管理が主な仕事だという貴蔵元だけど・・麹造りは大部分担当している。

貴の酒造りはシンプルがモットウ。  香りを強く出す酵母や香りを出す麹菌を使わない。グルコアミラーゼを出さないシンプルな麹を造っていく。

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木造の蔵の2Fに麹室があり、松尾様なども祭ってあるのですが、その横に今までなかった通路が(頭上注意の札があるところ)

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その扉の向こうはガランと変わって近代的な冷蔵設備の入った清潔感ある仕込蔵。 仕込みタンクと搾り機「ヤブタ」がここにあります。

「外気も入れれる構造があるので、時期時期で使い分けれます。もちろん醸造期間を長くしても問題が無くなってきました。」

使い勝手良さそうな「NEW仕込蔵」。

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「古い仕込蔵が解体され、仕込蔵が冷蔵設備になりました」と連絡があったので!てっきり仕込蔵を立て直したと思ってたのですが・・・

実は違いました。

ここは前は瓶貯蔵庫だったのです! そこにタンクを入れNEW仕込蔵に変更したのです。

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これは最後に永山お母様にとっていただいた写真ですが。この「巨大な貯蔵庫」が旧仕込蔵の後に建設されました。

(写真は永山貴蔵元、、私、スタッフ山口、永山夫人)

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中身はこんな感じ。ドドンとお酒が・・瓶貯蔵で8度の冷蔵管理です。

以前は今回の仕込み蔵になっていたところの旧貯蔵庫。それと外部の委託倉庫の両方で管理をしていました。

今回はここで全ての貴の火入れ酒が貯蔵されることになったのです。

全部、目の届く管理です。

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3年貯蔵される「山廃雄町25BY」もありました。平成29年に出荷か!

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「貴」の主張として地元用のお酒も疎かにしまい。お米は飯米だったりアルコール添加はあるもののちゃんと「貴下位クラスとしてのクオリティは保ちたいと。一度火入れで瓶貯蔵されています。

そうです、永山本家酒造「貴」は現在、全量を一度火入れ・瓶貯蔵で冷蔵保管です。

この瓶貯蔵庫が出来て、今後は純米大吟醸クラスは飲み頃まで貯蔵。 

純米吟醸は早飲み部分と何年後に飲み頃で出すのを2パターンで!

特別純米や辛口純米は今まで通り単年で若飲み出荷。

そういう展開で行きたいと考えているそう。

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そして試飲させていただいたのが今後の「貴」の方向を占うであろう瓶貯蔵酒。

2006山廃純米大吟醸と2007山廃純米大吟醸。

(新酒の生酒と時に弊社の試飲会に参考出品していただいて、ものすごく美味しかった記憶が・・その酒が火入れされて貯蔵されて目の前にある!なんか感動の体験(個人的に)

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その2ヴィンテージを比べて特に素晴らしかったのが2007山廃純米大吟醸。

余計な甘みがスッと落ちて、山田錦の一番骨格のみが立っているような~味わい。

素直に「旨い」 兵庫山田錦の神髄を見たような、感動を覚える逸品。

「貴」が昨晩言っていた。

「寝かせると、瓶内で雑な部分が落ちてきて、味の骨格「ストラクチャー」だけが残る。そこで初めてテロワール(土壌や水)、ミレジアム(年度)の味わいが出てくる。そこを純米大吟醸などは目指していきたい」

その形としての回答がココにあった!

さらに続けて、

「ボルドーやブルゴーニュの高級ワインのように熟成をきちんと計算し、それに耐えうる酒造りをしていきたい。

8年でも10年でもまだまだ熟成に向かう!そんな世界を作りたい。

それに向けて冷蔵庫を持ったのが第一歩なんです。

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古いものほど価値を持たせれるように。

 貯蔵年数と品種。そしてなんといっても実際の味の評価。

これを高級酒の座礁軸

とするのがいいと思います。  

それで何年置いて何本!少ないものはより価値が上がる。そんな世界を想像しています。

また、例えばブルゴーニュのワイナリーとも、「この年はこんな天候のヴィンテージだったから、この酒質だたっね~」と対等に話をしていけるような・・

そうんな日本酒のヴィンテージの世界を夢見てるし、実際に造っていきますよ!」

こういう明確な主張!本当素晴らしい。「貴」この路線で是非、走ってくださいね!


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