3月9日(水) 時期はずれの寒波が訪れたこの日、午後から岐阜県揖斐地区にある蔵、2蔵にお邪魔しました。
名古屋より車で1時間半ほど、揖斐は濃尾平野の西はずれ、岐阜県と滋賀県の県境にあります。 (その間は険しい山にかこまれていますので簡単には往来できません。)
まずは揖斐川と根尾川に挟まれた大野町にある杉原酒造さんへ
杉原専務です。 杉原さんは昨年秋に、当店へ飛び込みで来られました。
これから「こだわりのお酒」を作っていこうという”始まったばかり”の蔵が杉原酒造です。
美味しいお酒はまず人の気持ちありき!杉原さんにはそれがあるように思えたので長期スパーンで当店でも扱いを考えています。
手に持たれているにはこの蔵の新銘柄「射美(いび)」。この土地の名と美酒を造る(射る)という気持ちでめいめいされました。 書は名古屋の女性書道家がかかれたということです。
主に自社栽培のオリジナル米「揖斐の誉」を使用しています。
杉原さんから前に「何もない蔵ですよ」と聞いていましたので、どんなんだ?って身構えていました・・・。でもとても整然と整理、清掃がされていて気持ちのいい蔵でした。 ”日本酒工房”といった趣でしたよ♪
丁度、大吟醸の搾り中、昭和前期の古い木製の槽(ふね)でした。
早速、槽口酒をいただきました。
今年のお酒は本人は「まだまだ?」と思われているようで、このお酒も瓶火入れで熟成を図るとのこと。
酒造りにはもちろん「いいお酒」を醸すという気概が一番必要ですが、実際は問題点をいかに消していく、改善していく地道な努力の積み重ね、それが「酒造り」です。
話を聞くと「酒米」「麹菌」「麹室の温度維持」「麹室の乾燥具合」「酵母」「搾り道具」「麹米と掛米」の選定などいろいろな課題を抱えた状態。
また、来年、再来年とそのファクターを解消しながら少しづつ良い酒になっていくんだろうと想像!期待!!しています。
つづいて、杉原酒造を揖斐川を上流方向へ車で20分 揖斐川町の「所酒造」さんへお邪魔しました。
所酒造さんは揖斐川町でも一番古い、趣のある旧街道沿いに一角にあります。
コンパクトにまとまった清潔感のある蔵です。
この蔵の特徴は、少量高品質で長期間造る設備が整えられていること。そのための冷却設備がしっかり整えられています。
9月~4月まで少しづつゆっくり仕込みます、搾りは週に一回というスケジュールだそうです。
丁度、タンクでは夏酒 「純米吟醸 兎心(ところ)」が盛んに気泡を上げて発酵中!
昨年は素晴らしい出来で評判も高いのこの酒、香りも良く、今年も期待できそう!
房島屋といえばやっぱり「おりがらみ」このお酒もそう、その優しい「おり味」は他と酒とは確実に一線を画しています。その秘密は?と探りましたが、わからずじまいでした・・・・。
自信満々という感じの所専務。房島屋(ぼうしまや)のブランドを立ち上げ8年目程度。良い具合でブランド力を高まり、地元はもちろん、関東でも名前を知られる銘柄になってきたのはご存知のところ。
こちらは完全に「出来あがった蔵」。
ここではさらにブランド力を高めるためのプランを熱く語っていただきました。
「おりらがみ」を中心に季節酒でブランド力を高めたので、今度は定番酒に力を入れたい!その手始めに今年は辛口酒をリリースするとのこと、また、冷蔵設備を増やし火入れ酒の精度を高めていくとのこと。
また、お米の見直し。つまり、さらに産地を厳選しよりお米のお酒という部分をアピールしてきたい!そんな考えもプランにわあります。
ちゃんと未来が見えているな~♪「房島屋」はまだまだ伸びる蔵。その思いをさらに強くし、蔵を後にしました。
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