3年ぶりに栃木県さくら市の「仙禽」へ。
東京からは東北新幹線で宇都宮へ。「やまびこ」だけど最新の「はやて」用新幹線でした♪
蔵到着→薄井一樹専務に応対していただく。
毎年いかにブラッシュアップしていくかの話する。
「造りの無い時期にはなかなか改善点を思いつかいけど、以外に造り中に改善点が出てくるという。それは翌年の改題になっていく。
そうやっていけば間違いなく去年以上のレベルアップしてるはずで、後30年造りをするつもりだから、30回改善できると思っている。
今年は特に、衛生面の改善を行った。 麹を包む袋一つにとっても今までの南部杜氏流の洗い方も変更。洗剤や干し方を変えた。それだけでも効果があった。(而今の大西さんも同じ話をしていたな~と思ったら情報交換をしているとか)
いままでの「仙禽」はその他の菌によって複雑な甘味や酸が出てた部分があるが、衛生面を徹底し、他の菌に影響がない、もっとクリアで綺麗な甘味・酸にしたい。
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それによって仙禽はおとなしくなったと一部の方にいわれるけど、大多数の人にとってはそれは良くなったと思われるはず(これは多いに賛成)
→蔵見学( その間の写真を撮り忘れたスイマセン)
今年は40本仕込むが、20本留めたので本当に折り返し地点とのこと。
最初は入口近くにある心臓部 「室(むろ)」へ
今年から断熱シートで2部屋体制に
シートの中はこのように二日目の麹の部屋に!シート一枚で温度・湿度の違いを設定できる。
「仙禽」シリーズは最初の種付けの部分で、ハクヨーの製麹箱を使う。薄井さん曰く、
これは例えるとサーマルタンクみたいなもので、温度、湿度調整を外気に影響なく厳密にできるという。 そういえば今年、而今さんにもこれが入ったて言ってたっけ!
種付けた麹は熱を発するけど、その熱を逃さないために「ゴア・テックス」の布で巻いている。 これはスキーウエァなどにつかわれる素材で保温効果が非常に高い
今年から「仙禽シリーズ」は35%の精米の麹に全てした。 つまりは大吟醸仕込をずっとやってきているということ。
大吟醸といえばより繊細でボディの軽いタッチのものになるが、今まで強い味わいのイメージの「仙禽」をそのようなものにしていく。→仙禽 直汲みや仙禽50 槽口生なクリアで繊細味わいは素晴らしかった!効果は間違いなく出てるね!
但し。「クラシック仙禽」シリーズは50%麹のまま。 それで十分に繊細なものになっているのでそれ以上、細いボディは???のため
でも35%の麹はメチャクチャ温度にシビアで一度温度を下げ過ぎると、上げるのが大変とのこと。・・・だから温度を下げる時は通常は外気を入れたり、通風機で行うのだけど・・・この団扇(うちわ)(^ー^)ノで繊細に風を送って冷ますらしい!
麹室を出ると昔のレンガ煙突が、実はこれ東日本大震災で折れたのです。
モト場と「甘モト」用の木桶タンクが並ぶ。 仙禽 生モトはものすごく手間がかかる。モト造りで40日だって!
また。通常最初の仕込「踊り」は大きなタンクで行うけど、生モトは発酵力が繊細ということで4つの酒母タンクにわけて踊りを行う。
神秘的な木桶タンク内での発酵。
最初の仙禽の原点はこの「生モト」ですと一樹専務。
専用の部屋にある「山廃」の酒母室に。このタンクは今、水と蒸し米を荒掻いし、自然乳酸の出てくるのを待っている→亜硝酸反応を待つ→そして酵母を投入する。 簡易的にしようと思えば硝酸カリウムを添加すればすぐ作れる山廃酒母だけど、あくまでの自然の乳酸にこだわる。
秘密兵器。今年の「仙禽」「クラシック仙禽」に続く「ドルチェ」ラインを仕込むタンク。白麹やワイン酵母の仕込。今年はさらに2種の新機軸を行う予定。お楽しみに♪
まだ安定性に自信がないので調整しやすい小仕込ですが、ゆくゆくは通常のサイズで仕込み第三の柱にしていきたいとのこと。
出来上がった麹を口に含んだ。「栗(くり」」! 本当そう、いい麹はその味がします!
麹は本当しっかり菌が生えている。最近は昔の「突きハゼ」という菌の生え方を少しにする方法からしっかり菌をはやして麹の力を強くしつつ、低温で慎重に長期モロミで製造するのがトレンド!
しかしそれにしてもしっかり菌の生えた麹です。真っ白!!どこの蔵よりも生やしている感じかした。
写真がもう少し綺麗にとれたら、その感じがもっと伝わるのに!
「仙禽」「クラシック仙禽」は全てサーマルタンクで仕込。8本はあったかな~。温度管理がしやすいので助かります!とは製造を統括する「薄井真人 常務」
2Fにある洗い場へ、業界標準といえるウッドソンの洗米機。来年は蔵を改造して1Fに洗い場を移す予定。導線は短くだね~。カイゼンカイゼン
今年の導入機械はコレ!このお米計量器。 これで10kg狂いなくお米が詰められ、それぞれの原料処理後の品質が揃うようになったとか。酒造りってそこからなんですね~。
逆算すると いい酸を出したい→いい麹が必要→いい蒸し米→水分量がきちんと調整されたお米→お米の計量をしっかり。
ここまで逆算される。
最後に今日搾った「仙禽 雄町」を試飲する。 槽場から直接(ぜいたく!)
ただしこれはセメで地元酒にブレンドされるもの。「仙禽」や「クラシック仙禽」は袋吊りしたお酒だけを詰める(超ぜいたく) 残ったものをヤブタにもどし責めたのがこの酒。
甘味があって酸味が綺麗、ガス感もあって美味しいって思ったけど。一樹専務曰く、セメだからバラバラだ~ということ。
以上で蔵見学終わって
蔵近くのJR東北本線「氏家駅」から電車15分の宇都宮駅に移動。
駅前の焼きトン屋で一献。 豚は一大産地で東京へ多くが出荷されているとのこと。
それで発売直前の「仙禽 亀の尾 直汲み」を! そういえば今年から「50」表記がなくなります。 ついでにいうと定番「仙禽50」も「仙禽 無垢」という商品名に変わり封印もリニューアルされうるとのこと。
話を「仙禽 亀の尾 直汲み」に戻すと、12月に搾ったこのお酒。設計は本当ガラッと変わっている!酵母も変更があったらしい。
薄井一樹専務が晩酌を重ね今の時期に発売のゴーサインを出した。
ミディアムな甘味と亀の尾な穀物感と
ブラッシュアップした仙禽酸が
織りなすお酒のメリーゴーランドか!!
一樹専務と弟さん真人常務。一樹さんが理想を求め青写真を書いたものを。実施の現場に落とし込んで実現させる真人さん。 実に意志疎通がされた名コンビ兄弟蔵元です。
酒泉洞堀一
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